場所は福井県成田山福井別院九頭龍寺。
小高い山にあるだけあって景色が良い。夕陽で赤く染まる海が綺麗に見えそうだ……が、自分が行った時は曇りの日中。吹きすさぶ風に帽子を抑えながら小走りで散策。
暑くなってきたとはいえ、風が強いと寒い寒い。
開運出世稲荷堂にて
成田山福井別院九頭龍寺 遠撮
寺院以外に坂井市龍翔博物館があり、その展望台から撮影。
左端にうっすらと映るのはホテルである。
坂井市龍翔博物館は港の歴史や山車など展示されており、山車に施す彫刻や紡績技術で発展した柄物など美術が好きな人にはお勧め。
成田山福井別院九頭龍寺 正面
ところどころが新しい。修復しているのかも。
各所に設置されている仏像も新しい物がある。
艶のある青銅色に凝った金装飾が煌めく。
狐像を巡る旅で基本的に古い年代物と遭遇する事が多いため、新鮮な体験である。
しかし、個人的に好きなのはこちら。
いい存在感を醸しだしている、この像。
水面の揺れもない静かな池の片隅で手を合わせる姿は神聖さすら感じられる。
名前もわからないがこの状況全部合わせて修行僧としての理想図なのかもしれない。
巨大な鈷杵。
触って良い物だったので一通り撫でてみる。硬いの感想しか出なかったが、こういう妙に厳つい法具はかっこいい。
そして所有者の弘法大師。
味のある青銅色。これぞ弘法大師となんとなく納得できる色合いで、新しくない方がいいのかもしれない。
歴史を感じさせて欲しい人間のワガママが出てしまう。
開運出世稲荷堂へ
参拝を済ませたら、本命へ。
寺院の左上にわかりやすすぎる看板があるので、迷う事はない。写真にも写っている。
朱色が見事なお堂。
綺麗に整えられた庭木も相まってちょっとした日本庭園の様相である。
ただ、本当に風が強い日で余韻を味わう暇がなかった。写真でようやく味わえた。
さて、肝心の狐像がこちら。
福井県はこのタイプの狐像が多い。
今回の狐像はスマートになっていて、顔が細目。脚の造形は狼みたいにがっしり目のタイプである。
榮稲荷大明神と上富田稲荷神社の狐像を足して割った感じだろうか。
この眼の感じは手塚治虫作品に登場する外国人キャラクターのようだ。ハーフっぽい。
大きさは中程度。玄関先に置いてある置物ぐらいといえばわかるだろうか?
前掛けのデザインはシンプルながら品がある。こだわりの掛け方だろうか? お洒落だ。
まさかの狐像
狐像の写真を撮り終え、参拝しようとお堂に近づくと扉が空いている。
そこにお賽銭を入れるのかなと思い確認すると
まさかの狐像!
自分の狐運の強さに喜びながら撮影。ネットで確認できた写真で写っていなかったので、思わぬサプライズ。やはりネットの情報だけではわからない事があるな。
造形が実に独特。
首からしたは見た事がある体なのに、顔はまるっきり違う。恐竜や怪獣みたいな造形の顔である。以前にもそういうタイプは見た事があるけれど、目の部位の盛り上がりと口の造形が初めて見るタイプだ。
馬顔というよりバナナ顔と言うべきか。
そう書くとマヌケに聞こえるが、実物は長いお陰で迫力がある。特に玉を咥えている表現は見事。
造形して奉納した方に拍手を送りたい。
所在地:〒913-0048 福井県坂井市三国町緑ケ丘4丁目9−10
※今回から書き方を変えてみます。自分が変だなと思ったらまた変えるかもしれません。