星峯稲荷社にて

狐像

 ゆっくり旅をしたいと思い立ち、滋賀県湖西線で電車旅をしてきました。
 目的地は比叡山延暦寺……だけども、思い立った切欠はニュースで見た日吉大社の献茶会。そんなのがあるのかと終わってから気になりまして、行ってみることに。
 天気はネットでは曇り……だけど、電車を濡らす霧雨の水滴が少しの不安を煽ってくる。大きく濡れなくても不愉快なしっとり感が気になるだろうなと最悪の事態は考えないようにしていましたが、比叡山坂本駅は見事に晴れておりました。
 これなら大丈夫だな——と油断したのが間違い。山に登るとどうなるかすっかり忘れていました。

星峯稲荷社にて

ケーブル坂本駅


 ケーブルカーの時間が丁度近かったので、日吉大社は後にしました。
 それにしても比叡山坂本駅を出てからは坂・坂・坂。全て登り坂。それらを全て歩き終える頃には、肌が汗ばんでいました。
 ロングシャツにポロシャツを合わせて着ていたため、着替えて身軽になろうかと思ったが先に駅員さんに相談。
 「上はどうなっていますか? ポロシャツだけでいいですかね」「ここより4℃ほど低いです」
 よし、着たまま行こう。
 駅員さんにお礼を言ってケーブルカーで頂上へ。
 麓と頂上だけかと思いきや事前に予約があれば途中で降りられるらしい。
 ケーブルカーから見る琵琶湖の景色は素晴らしく、より晴れていたら遠方の白山など有名な山が顔を覗かせることもあるようです。

頂上


 忘れていたこと——山の天気は変わりやすい。
 それをすっかり忘れておりました。上に着いたら寒い。速く動いて温めねばと焦りながら撮った写真。
 素晴らしい景色と強い山風。勝ったのは山風でした。
 数枚手早く撮って、寺へ速足で向かいました。

比叡山延暦寺と階段

 長々と語るのも(本命が稲荷なため)アレなので、お寺は写真で。


 一突き百円。記念にやる人が多いのか、高い頻度で鐘は鳴ります。






 長々と色々撮ってきて、お気に入りは「白象」です。宝物殿や図で描かれているモノもありました。日本の妙に色気と愛嬌を同居させた白象図は面白い。



 比叡山延暦寺で一番の記憶に残るのは階段かもしれない。
 石の大きさが違う上にこの角度。スポーツをしているらしい人が全力で階段を昇っていくあたり、ロードワークの場所として選ばれていてもおかしくないと納得。坂も多いですし。
 ただでさえ朝から歩いて、さらに体力を持っていかれた……
 整っていない時代の坊さん達は全員脚が剛健だったに違いない。

星峯稲荷社——鳥居

 
 稲荷社への坂道は、とても優しくて助かる。
 比較対象が、ここに来るまでにあった坂なのもあって本当に優しく思える。あの坂は本当に急勾配で想像より長い。膝が砕けるかと思った。



 星峯と星峰になっているが、どちらでもいいのだろうか。
 旧表記みたいなもの?
 

 神社に行くまでの道中で一枚。
 晴れていたら市内をもっとくっきり見られていたかも。穴場なスポットかも。

星峯稲荷社——正面


 どの季節に来ても綺麗な風景になっていそう。
 手前のモミジが丁度いい位置に来ているのが、さらに良い。
 賽銭箱は中にあるタイプで、戸の一部に空いている部分があります。そこから入れたのですが……見事にズレて賽銭箱の下へ落ちていきました。受験生だったらショックを受けそう。
 

星峯稲荷社——狐像



 ようやく出会えた狐像は、よくあるサイズでした。
 休憩がてら眺めていると、思い始める。なんだか、エジプト風だなぁと。
 目の虹彩がやたらくっきりと出ている所為ですかね?

星峯稲荷社——狐像 別角度



 横顔がエジプト壁画風。実際の壁画と比べたら全然違うのだけど、比較対象が並んでいない状態だとあっちの、エジプトのかなと思ってしまう。
 そういう絶妙さ。
 周りに溶け込みながら、印象にも残る。名脇役と言える狐像です。
 違う時期に来ても、画を引き締めているでしょうね。

 おまけ



 星峯稲荷社への目印は、宮沢賢治。

 所在地:〒520-0116 滋賀県大津市坂本本町4220 

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