100人力の美濃狐がそれをさらに上回る大力を持つ女性に負ける話を読んで生まれた疑問——100人力はどういうことが出来るのか?
それを自分なりに解決するために遠出したり、資料を集めてみました。
100人力は何できる?
まずは具体的な物と数字
より具体的に100人力を知ろうと考えたら必要になったのが「数字」
大力・怪力譚で頻繁に持ち上げられる存在があります。
石・岩です。民話、説話、ドラマ、アニメ……力自慢を表すのに便利な道具です。
しかしそれらは重量が不明な場合が多い。
少しでも判断材料になりそうな話があればいいなと思い調べていると、民話で2名の該当者が。
1人目は高島大井子
2人目は横手五郎
数は少ないですがこの二人から100人力の基準を探っていきたいと思います。
高島大井子(滋賀県)
彼女に関する民話は、力士を上回る力を発揮して力士を育てる話と村人たちによる嫌がらせで田んぼに水が入らなかった時に大岩で水路の流れを変える話が有名です。
基本的な内容はWikipediaに書いてありますので、興味のある人は読んでみてください。
さて彼女に関しては江戸時代に人気があったためか話の内容が豊富にあり、岩の大きさについての情報も書籍によっては載っていました。
直径が6~7尺(181~212cm)の岩
100人がかりでも難しいまたは100人力が必要な大岩
そこからか派生したのか大井子は100人力と評された
後は岩の種類と幅のサイズ――を調べるために滋賀県高島市安曇川町へ。そこには大井子が運んだとされる岩があるので今回の参考に使いました。
場所は安閑神社
岩は年月が経ち割れたり欠けたりしているのか、幅と高さは6尺(181cm)もありませんでした。とはいえ、厚さに関しては欠損が少なかったので助かりました。均一っぽい。

大体22cm。iphoneの計測アプリ初めて使ったな。
そして種類は白に黒い粒が入っている花崗岩っぽい? そうなると密度は約2.6~2.9 g/cm³
重量の計算方法は厚さ×幅×高さ×比重
なので、最小だと22×181×181×2.6=約1.8t
最大だと22×212×212×2.9=約2.8t
1t近い誤差が出るな……
とはいえやはり、1tは軽く超える
横手五郎(熊本県)
熊本城に行った事がある方は知っているかもしれません「五郎の首かけ石」を。
自分はまだ行った事がないので、ネット検索で知りました。
彼の力は75人力
1.8tの石を首にひっかけて運んだ
これを読んで、おっと思いました。
ほんの25人力足すだけで100人力がわかるぞ。と、思いさっそく計算しました。
1.8t+450kg = 2.25t
こうなるかなと思ってさらに横手五郎について調べてみると、Wikipediaに20tの巨石を運んだとある。えー計算し直しかな? と思いソースを見るとブログが。
「重さ10トンのライトバンくらいデカい石」
比喩表現じゃないか。この場合Wikipediaを訂正するべきなのだろうか。首かけ石よりも巨大な石を~みたいな。
気になって調べると「猫伏石」という名称の石で説明案内にも重量は書いておらず。
なので、今回は公式記録? のような数字のある75人力と1.8tを利用させていただきます。
民話のブレ幅の大きさは想像以上あるのはデフォですね。
現代の行事から100人力を測る
現実だとタイヤという便利な道具があるので、何トンもあるような物体でも簡単に動かせます。
それをなるべくしないで動かすとなると何があるか。
そう考えた時に神輿を思いついたので調べてみると。
有馬神明神社の神輿 約2t 担ぎ手:約80人
千姫神輿 約2.3t 担ぎ手:不明
中御座神輿 約2.5t 担ぎ手:50~60人
西御座神輿 約2t 担ぎ手:50~60人
東御座神輿 約2t 担ぎ手:50~60人
平成神輿 約2t 担ぎ手:60~100人
そして担ぎ手が神輿を背負えるのは30秒~1分が限界
担ぎ手は交代も含めるとさらに人数が必要になるそうで、同規模か10倍以上の場合もあるとのこと。長時間担ぐとなるとそうなるよな……
そう考えると100人力が改めて凄い。腕力ばかりに目を取られて忘れがちですが、休憩なしに運べる持久力を持っていることは100人力の特筆すべき点ですね。
まとめ 100人力とは
・2トン~3トン弱を持ち上げる力
・超重量の物体を持ち上げた状態で休憩をはさむ事無く行動し続けられる持久力
これらを持ち得ている存在としたいと思います。
他にも100人力エピソードがありますので、またまとめていきたいと思います。
参考文献
古今著聞集
怪の壺 女妖百物語 著者:山ン本 眞樹
少年少女古典文学館13 古今著聞集ほか 著者:阿刀田 高
安閑神社
Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E4%BA%95%E5%AD%90)
攻城団 熊本城 五郎の首掛石 (https://kojodan.jp/castle/17/memo/379.html)
再話を通して伝説が今日まで伝えられた要因を探る 著者:城 重幸
一新まちづくりの会 横手五郎をもっと知ろう (https://isshinkai.wordpress.com/2020/02/22/%E6%A8%AA%E6%89%8B%E4%BA%94%E9%83%8E%E3%82%92%E3%82%82%E3%81%A3%E3%81%A8%E7%9F%A5%E3%82%8D%E3%81%86/)
